2005.11.22.

SF

伊東家の食卓を見ていたら、不意に電話が鳴った。
誰かしら？と思って、画面にはピンポンの名前。
渋々電話に出ると、変な音しか聞こえない。

あの野郎。
よりにもよって番号通知でいたずらかよ。

程なくして再び鳴った電話をとると、
ピンポンがスパーキンズさんとこにバスケしに行かないかという。

ｵｲｵｲ、俺はお前のせいで牛肉を柔らかくする裏技がどんなだったかが、
わからなくなったんだぜ？

明和のいつもの体育館に到着すると、スパーキンズさんが練習していた。
9人しかいなかったので、ピンポンが呼ばれた理由もわかった。
5対5が出来ないのだ。

と同時に、俺が体育館に来た理由も失われた。
1人余ってしまうのだ。

ﾖｿで恥かかすんじゃないよ！

6人対5人でゲームをやる事になり、
1人多いほうのチームに入った俺はジャンケンに勝ってしまい、
休みはスパーキンズさんから出すことになってしまった。
あなたの分まで頑張るから許して。

やぁ、しかし実際はアレだったわ。
何？チェーンの外れた自転車を漕いでる感覚？
空回りってヤツ？

もぉオフェンス時にさぁ、何して良いかわかんないの。
1番のポジションは別の人がやるって決まってたから、俺は必然的に2番か3番か、
あるいは4番か5番のポジションをやるしかない訳。
いくら俺がユーティリティーでオールマイティー的なベンチウォーマーだとしても、
そんなんいきなりやれってﾑﾘな話？
2番はどうみてもケンタ君だし、4番には銀ちゃんがいたし、
5番には大きいうえに上手な人もいたからね。

3番をやればいいって？
ﾑﾘﾑﾘ。
SFって言われたら、スモール・フォワードという単語よりも先に、
別の意味の言葉が浮かんでしまうもの。

とまぁ、俺は激しく浮いた存在でありながらも、
なんとか迷惑だけはかけまいと健気に努力していたのだけれども、
ジャンケンに負けて休憩の時にはコーラを飲むというテイタラク。
チームも俺が休みの時に猛追を見せるあたり、空気読めてる。
さすがスパーキンズ。

結局その後のゲームで逆転することは出来なかったけれど、
それは向こうのチームが強かったせいだろう。
相手側のピンポンも、こっちが2連続ゴールで勢いがつきそうな所で、
ごく普通の本当に面白くもないシュートを決めて、水を差すし。

今回、スパーキンズさんの練習に参加してみて、
たまにはこういうのも良いな、と思いました。
ｸﾛﾌﾈとはメンバーも当然違いますし、色も違います。
共通しているのはバスケに対する気持ちだけ。
悪くないと思いました。

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